今日は、シャツのデザインにおいて非常に重要な「かっこいいシルエット」についてお話しします。細かいディテールや生地選びも大切ですが、最終的なかっこよさを決めるのは、やはりシルエットです。
シルエットとは、シャツが体を包み込んだ時に現れる「形」のこと。
実は、人の体を服が覆う時、すべて寸法通りぴったりに作れば良いというわけではありません。もし身体のラインをそのままトレースしたシャツを作ったらどうなるでしょうか?
第三者から見て、自信を持って「かっこいい」と言える姿になるでしょうか?
正直なところ、自分の体型が丸裸になるような「残酷なシルエット」を、私は着たいとは思いません。着心地(フィッティング)は良くても、鏡を見た時の「精神的な着心地」は最悪かもしれないからです。
理想は、実際の体型がどうであれ、欠点はうまく隠し、長所を強調してくれるような工夫があること。
男性がシャツに求める理想のシルエットは、概ね決まっています。
「胸板は厚く、お腹は引っ込めて見せたい」。正直、これに尽きます。
では、どうすればそれが実現できるのでしょうか。
基本的には胸周りにゆとりを持たせつつ、お腹周りの処理で工夫を凝らします。お腹周りはガバッと大きくして隠すか、ピタッと絞って細く見せるか。その結果生まれる「逆三角形」こそが、男性にとっての理想的なシルエットです。
このとき、肩幅は、広く見せたい人と、そうでない人が分かれます。
現在、世界的な主流は、二の腕を強調して男らしさを出すイタリアンスタイルになりつつあります。その一方で、慎み深く品のある英国スタイルも根強い人気があります。
このどちらかの要素を取り入れ、理想の逆三角形を作ることが、現代の「かっこいいシルエット」の正解と言えるでしょう。
