シャツ選びのポイントについてお話ししたところで、では実際にどんなシャツを選んだら良いのでしょうか。
まず第一に挙げられるのは、何といっても価格です。シャツにかけるコストがどれだけかけられるか、その方の経済性や、シャツにかける意識の度合いなども関係してくるでしょう。
では、ここでシャツの価格の内訳についてお話ししたいと思います。
実は
「シャツ自体にかかるコスト×販売に掛かるコスト×ブランド代×人気」
これが1枚のシャツの上代になります。
シャツの価値が、そのままシャツの価格ではありません。
それほど高くなくても良いシャツはたくさんあり、高いシャツよりもシャツ自体の価値が高いものもあります。これは、先述の算式でいうところの、
「シャツ自体にかかるコスト×販売に掛かるコスト」
だけで価格が成り立っているからです。
このため、ブランド力がないので、人気どころか、そもそもの知名度が低く、評価も価格も低いままになってしまいます。
実は、今、ブランドとして人気のシャツも、最初は、「シャツ自体にかかるコスト×販売に掛かるコスト」から始まっています。
海外ブランドのシャツは、上記の計算式の通り、人気があればその分バイヤーが高い値段をつけることができるので、どんどん高くなります。
正直、インバウンド効果も、彼らからしたら期待できるのだと思います。
さらにブランド力があれば、その高い価格のまま安定して供給することができます。
こういったシャツは、シャツ自体にお金を支払うのではなく、ブランドにお金を支払っていると言っても過言ではありません。
では、高い値段のシャツはその値段に比例して良いシャツなのでしょうか。
実際には、シャツ自体は、さほど差はありません。
また皆さんよく考えてみてください。お気に入りのシャツがあったとして、そのシャツを永遠に着ることができるでしょうか。
そう、シャツは消耗品なので、また気に入ったら新たに買い直す必要があります。
その時、経済的に購入できたシャツが、時を経てまた購入できるとは限りません。
私はたくさんの顧客の方を見てきましたが、ずっと高いシャツを買い続けている人は残念ながらあまり見たことがありません。
つまり、高いゾーンのシャツというのは一過性になりやすいのです。
シャツ選び、シャツブランド選びに欠かせない大事な点は、そのシャツをずっと買い続けることができるかということも視野に入れてください。
時に海外ブランドのシャツを買うことがあっても、それももちろん良いと思います。
しかし、あくまでもシャツは消耗品ですから、洗濯し、その都度摩耗し、少しずつ弱くなっていきます。最終的には着ることができなくなる。それがシャツの宿命です。
私があまり高いワイシャツを勧めない理由は、スーツや靴のように長い間使えるアイテムではないからです。
