シルバーウィークに、書き溜めたシャツについての記事も、とりあえず今回が最後です。
最後にシャツの最も大切な要素、襟のデザインについて、紹介したいと思います。
シャツの襟デザインは多種多様あり、デザイン一つで、かなり異なる印象を第三者に与えてしまいます。
デザインという要素からすると、生地の次に大事なのが襟デザインといって、間違いは無いと思います。
ちなみにシャツのデザイン要素としての順位は、
1 生地(重要度60%)
2 襟デザイン(重要度20%)
3 袖デザイン(重要度10%)
の順番です。これは、私の意見ではなく、一般的な概念です。
さて、お話がそれてしまいました。
それほど大事な襟のデザインですので、その捉え方や角度によって、様々な要素があります。
今回は、平たく、まずは襟の紹介程度に抑えておこうと思います。
後日、違う角度からお話をさせていただきます。
襟の代表的なデザインを挙げてみました。
何と言っても、代表的なのは、「レギュラー」、「セミワイド(≒ミディアムとほぼ同じ意味)」、「ワイド」の3トップです。
これらの違いは、通常、襟の開きの角度だけです。
その他は、(フォーマル用のウィングカラーを除き、)基本的には変わりデザインという位置づけになります。
レギュラーカラー
最も一般的な襟のデザイン。冠婚葬祭すべてに対応できる唯一の襟デザインです。
襟先の長さが約7センチから7.5センチ。襟の開きは正面から見て60度と、最も一般的な角度と長さのデザインとなります。
セミワイドカラー
レギュラーカラーと、ワイドカラーの中間に位置するデザイン。
ワイドほど広くなく、レギュラーよりもドレス的な要素があります。 セミワイドカラーは中間的なデザインなので中庸的な利便性があり、それが人気の1番の理由です。
ミディアムカラー
レギュラーとワイドの中間に位置するデザインの1つです。セミワイドカラーとよく一緒にされますが、セミワイドより、ほんの若干レギュラーに近い角度のデザインを指します。セミレギュラーという印象です。
広い意味ではレギュラーからミディアムまでレギュラーカラーに含める場合もあります。
ワイドカラー
幅広く襟元が開いたデザイン。恰幅の良い方や細身でも太めに見せたい方によく似合います。おしゃれなシャツの代名詞的な存在で、かの王位を捨て、「世紀の恋」の主人公ウィンザー公が、愛用したことでも有名なデザインです。また、長いトレンドでもあります。
ラウンドカラー
襟先が丸みを帯びたデザイン。小さいものはラウンドポイント、大きいものはワイドラウンドというふうにある程度バリエーションが多くあります。
襟先が丸いので、そのまま見た目も丸い優雅な印象となります。
優雅なイメージを伴います。クレリックなどとも相性が良く非常におしゃれなデザインです。
ボタンダウンカラー
襟先をボタンで止めたデザインの総称。その発祥は馬に乗ってスティックで叩くポロと言う競技に由来すると言われています。
ポロの競技中に襟先がバタバタとしないようにボタンで止めたことがその発祥といわれています。
現在では普段着カジュアルシャツの代表的なデザインです。
ネクタイをしないで着るのが一般的です。が、ネクタイをすることもちろん可能です。その便利さから重宝されています。一枚は欲しいアイテムです。
ホリゾンタルカラー
ワイドカラーの前部の襟の開きをさらに広げたデザインです。
ホリゾンタルとは地平線などの意味で、今日では襟の開きが180度に近いものを言い、最近では180度を超える角度のものも多くなりました。
最近クールビズの関係で襟がパタパタしなかったり、だらしなく見えないなどのこともあり非常に人気が高まっています。
スモールカラー
先が小さいものの総称です。襟の総面積が小さいので小さい顔の形や小柄な方にもお似合いになります。
意外と面白いデザインで、昔からあるデザインです。
スナップダウンカラー
ボタンの代わりに、襟先にスナップをつけたスナップで止めたデザイン。
正面からはスナップは見えないのでボタンダウンとは違いドレスシャツとしても重宝することができます。
ネクタイを外して台襟のボタンをはずしてもスナップがあればだらしなく見えないので、非常に人気が高まっています。
ナローカラー
狭い襟の開きのデザイン。どちらかというと正統的な古典的なデザインで襟の高いシャツになります。
ネクタイの次には帰宅必然的に襟先が長くなるので、少しクラシカルな上品さを伴います。
ピンホールカラー
襟先を止めたデザイン。ネクタイが立体的に膨らむのでとてもオシャレに演出されます。ピンホールの代わりに安全ピンのようなものを使う方もいらっしゃいます。
他にもたくさん、襟デザインはありますので、次回以降ご紹介します。