基本的にネットによる注文からシャツ作りをさせていただいている弊社ですが、お客様のご都合に合わせ、店頭で採寸などをする場合も多くございます。
今回はそうしたなかから、印象に残ったオーダーについてご紹介しましょう。
最近のケースでは、将棋のプロテストがあるということで、テストを受験する家族の方から連絡がありました。将棋は勝負時でスーツにシャツを着用する競技。
聞いてみると、将棋は腕の動きがとても大切のようです。
そのため肌ストレスのない、なめらかな生地で、勝負の際に煩わしさのないようなシャツ作りを行いました。
また色も赤系の方が勝負で心理的に有利なようです。真っ赤というわけにはいかないですが、色も工夫して提案させていただきました。
ほかにも、婚活でシャツをオーダーしたいという方もいらっしゃいます。作り手としては、まずはお客様に自信をもっていただくこと。
流行りのスタイルを薦めるのではなく、お客様の好みを生かし、いかに自分らしさを出して本番に臨まれるかを考えます。
要はいかにいい形で婚活へ背中を押してあげられるかが、ポイントになってきます。
どんなオーダーでも、決して押し付けはせず、あくまでもお客様の意向が第一。
一方で流行りのスタイルを希望される方が多いのも事実です。
流行りのスタイルは安心なのかもしれませんが、没個性になりがちで、決して誰にでも似合うということもありません。
ですから希望は聞きつつも、その中で自分たちにできるアレンジなどを、最大限無理なく示唆していきます。もちろん最後に決めるのはお客様です。
このように私たちはシャツという媒体を通して、お客様に気に入ってもらい、自信をもって着ていただくためにどうすればいいか、一緒に考えることをサービスの肝にしています。
必ずしも熟練した最高職人が作る、技の逸品を売りものにしているわけではありません。
極論すればシャツは「二の次」なのです。
まずはお客様一人ひとりと最高のシャツを目指すことが大切であり、その共有した時間があれば、仮に最初の理想通りでなかったとしても、お客様の?納得?につながるのです。